参議院議員
NHK党政策調査会長兼幹事長
浜田聡 氏

――国民の多くは最初、N党に懐疑的だったが、最近はNHKの方がおかしいのかなと思い始めている。N党は何をやりたいのか…。
浜田 一番はNHKのスクランブル放送化で、受信料を払いたくない人の権利をお守りするということ。そこが第一だ。その他NHKに関する問題は各種取り上げていて、ひとつ成果が出ているのが各家庭を回っていた悪質な集金人の問題だ。2019年の統一地方選挙において、悪質な集金人から皆さんを守るということ、基本的にはそれだけを訴えて多数の当選者を出して勢いに乗り、その数カ月後の参院選で立花さん自身が当選されて国政政党になった。
――緊急津波速報などもあることから、スクランブル放送化は問題があるという意見もあるが…。
浜田 NHKは集金の自信がないのではないか。スクランブル化でお金を払っていなければ放送を見れないようにするというのは、NHKの放送に信頼がなければ維持できないわけだ。私はNHKに自信を持ってスクランブル化して、納得のいった人に受信料を払ってもらうようにすればスッキリするではないかと思う。大河ドラマが見たいから受信料払うよという人もいるし、NHKスペシャルもいい番組つくっているし、自信を持ってもらいたい。NHKは年間の受信料収入が7000億円くらいだが、集金のための営業経費に700億円くらい使っている。最近は集金を抑えているが、それでも使いすぎだろう。1日にしたら2億円で、スクランブル放送化すればその経費は減ることになる。大規模災害については、地上波民放テレビ各社と同様に最大推定震度5弱以上の地震が発生した場合にスクランブル放送を解除し、震度4以上が予想されるエリアに対して「緊急地震速報」を放送すれば良い。そもそもスクランブル放送化すると緊急津波速報等ができないという意見は、NHKの公共放送としての役割を国民が認識できていないという前提に立っている。放送法15条により本来NHKには公共放送の役割を国民へ伝えることも期待されているはずが、NHKはその役割を全く果たせていないどころか、放送法を盾にして国民から高い受信料を強引に徴収している。本来のNHKの在り方に立ち返るにはスクランブル放送が最適解である。
――NHKの組織自体はどうか。国民から強制的に受信料を徴収しているなかで、不明瞭な子会社がたくさんある…。
浜田 上場会社ではないので情報の開示は限られるが、組織を複雑にしてわかりにくくしているというところはあると思う。複雑にすればいくらでも決算の数字などを操作できるので、赤字でしたということにして「受信料がやっぱり必要です。受信料を下げるわけにはいきません」ということもできる。番組制作や出版、オンデマンドなど収益を生みやすい部門を子会社化することでNHK本体の利益調整も容易になる。組織の構造的な部分は我々としても、もう少し研究をしなければと考えている。また、昨年では国際放送で中国人スタッフが暴走した尖閣発言の件がある。中国人をスタッフとして雇っているからこういったことが起こると言っても過言ではないわけで、我々としては国際放送をやるというのは日本の広報戦略上、重要だと思うが、そのためのスタッフを中国人とすることにNHKはなぜかこだわっている。中国語を話せる日本人にすればいいと言っても、そこは強硬に断られた。公共放送たるNHKは国民の理解を得るためにこれらの情報を透明化すべきところ、国民の理解が得られないことをNHKが行う背景には、前述した現在の受信料制度そのものに問題がある。
――中国人は中国本土の法律でスパイ義務もあるし、戦争になったら国の命令に従う義務もある。そういう人をNHKが雇って良いのか…。
浜田 国民の反発はそれなりにあると思うが、なぜかNHKは聞き入れない。東海大学の山田吉彦教授がインターネット番組で話されたことには、NHKで中国語を担当されている中国人スタッフはしばしば中国大使館に行って何らかの話をしており、中国当局とは密接につながっている。そういった人物がNHKで中国語を話しているということだ。NHKに中国人の雇用にこだわる理由を尋ねても納得のいく説明が得られていない。幅広い人材を活用したいので、日本人に限るようなことはしないという趣旨のことを言っているだけだ。
――次の参院選に向けてどういった主張をして戦っていくのか…。
浜田 我々は立花代表の考えに沿った綱領をつくっていて、というのも彼はNHKの元職員であって、2000年代序盤、NHKの職員の体質が腐っていることに耐えかねて、裏金作りを内部告発したという経緯がある。腐敗した組織を是正するために内部告発というものは非常に重要なものだと捉えているので、彼は内部告発する人を応援する。それ以外にも党は自由を重視しており、もちろん責任は伴うが、そういった綱領になっている。そしてその自由とは、人に迷惑をかけない範囲での自由だ。もっと具体的に言うと犯罪にならない程度の自由と言ってもいい。ケースバイケースになると思うが、たとえば彼自身が千葉県知事選挙に出ながら兵庫県で活動していたが、そういったことも法律に反することではないし、その範囲で自由に行動するということだ。
――「2馬力選挙」についても同じような考えか…。
浜田 小西洋之参議院議員は立花代表が「2馬力選挙(立花氏が自身の立候補を通じて対立候補である斎藤氏を支援した)」という違法選挙をしたとX(旧ツイッター)でおっしゃっていたが、違法行為だと思うならすぐに告発しろよと、そういう趣旨で立花代表は小西議員をいま名誉毀損で訴えている。立花代表は法律をしっかりと遵守したうえでやっているし、それが証拠に今のところ選挙で告発されてもいない。要は2馬力選挙と言っても、具体的に投票を呼びかけなければいいと。立花代表が兵庫県知事選挙に出てやったことは「斎藤さんがいじめられている、みなさんには真実を知ってほしい。マスコミがこういうふうに扇動しているけど、そうじゃないんだ」と主張しただけで、斎藤さんに投票してくれとは一言も言っていない。彼自身は斎藤さんのやっていることをそこまで肯定しているわけでもない。ただやはり報道のやり方や兵庫県議会のやり方はおかしいよねという立場で、報道されていない重要なことを拡散することが目的だった。
――報道されなかった重要なこととは…。
浜田 挙げだすときりがないが、一つ大きな焦点としては斎藤さんがパワハラをした結果、県民局長が亡くなったというストーリーが出来上がってしまった一方で、県民局長がもともと斎藤さんに対するクーデター計画を練っていたようだということと、県民局長の公用パソコンが押収されていたことは報道されなかった。経緯を時系列で説明すると、まず県民局長が24年3月12日に、斎藤元彦知事がこんなけしからんことをしたという怪文書を各方面にばらまいた。NHKや警察にもばらまいたし、竹内英明県議もそのうちの一人だった。その内容もひどく、斎藤さんのみならず個人名、会社名も入っているので名誉毀損にあたるものだった。それは正式な公益通報の窓口を通じた内部告発ではなく単なる名誉毀損、犯罪だと判断した斎藤さんが発信者の調査を始めて行き着いたのが県民局長だった。3月25日に県民局長のもとに行き、これはどうやって調べたのだと問い詰めたところ「噂話を集めました」ということで結局、県民局長は処分された。3月28日に斎藤知事が記者会見において、県民局長の言っていることは嘘ばかりで、しかも仕事中に怪文書の作成をしていたと発言した。県民局長は怪文書の発信により処分された後、4月4日に正式な窓口で通報を行った。
――最初の処分の対象となったのは公益通報ではないと…。
浜田 3月12日の怪文書と4月4日の正式な通報とで全く違うことだ。斎藤知事の県民局長に対する処分が叩かれたが、正式な公益通報に対する処分ではなく、怪文書に対する処分だった。斎藤さんに投票した110万人ぐらいの兵庫県民はこのことを理解していたと思うが、未だにこの点を理解していない人達がいる。また、怪文書に対する処分の際に県民局長の公用PCが押収されたが、その中に不倫日記もあったし、それを業務時間中に書いていたこともわかった。あとはクーデター計画も書かれていたとのことで、これでは処分せざるを得ないだろうと。一方で、県職員の中にも県議会にも、反斎藤派の人たちが多数いた。どうしても斎藤さんを追い落としたい人は、その処分がけしからんと、文書問題を調査するために文書問題調査特別委員会(百条委員会)をつくったが、自殺した当の県民局長はどうだったかと言うと、百条委員会をつくることに猛反対した。調査の過程で証人が出てきて証言されてしまうと不倫日記の内容が公になるため、県民局長は相当嫌がったらしいが、県議会の一部の者が強引に進めてしまった。片山副知事は県民局長のことを思いやって、自身が職を辞すので百条委員会の設置をやめてくれと言ったが、結局、委員会が設置されたし、県民局長はおそらく不倫日記の内容が明らかになるのを苦にして自殺してしまったのではないかということだ。
――聞けば理解できる話だが、一般紙などに一切出てこない。兵庫県民はわかっているかもしれないが、多くの国民は何が起きているかわからない…。
浜田 24年9月下旬に百条委員会はまだ続いていたが、県議会で斎藤知事の不信任決議案が出されて斎藤さんが自動失職し、県知事選をやることになった。一つのポイントとなったのが選挙直前の10月25日、百条委員会が秘密会として開かれていたが、その内容を明らかにするのは選挙が終わってからという不思議なやり方だった。そのときのやり取りの中で片山副知事が証人に出て、県民局長の公用PCの中に不倫日記があり、県民局長が複数の女性と不倫関係にあったという話を秘密会で話したところ、奥谷委員長が「そこは言わなくて結構です」と、なぜかその片山副知事の発言を制止した。さらに百条委員会の部屋から出たときに、そこにいたマスコミが片山副知事を取り囲み、「なんであんなこと言うんですか、責任取れるんですか」と詰問したのだが、増山誠県議がそれらの場面をすべて録音しており、そのデータを渡された立花さんが選挙戦の真っ最中に音声を公開した。これはとんでもないということで、県民の支持が斎藤さんに一気に傾いた。この暴露が大きかったと思うが、この内容はあまり報道されていないし、マスコミは斎藤さんを追い落とす目的で報道をしてきたので振り上げた拳をおろせなくなったのではないか。
――ジャニーズの事件と構図が似ているようだ。この件も海外のメディアへの露見をきっかけに、深く追及されることになるのでは…。
浜田 今回の件は選挙中に週刊現代が記事にして話題になったが、ジャニーズの事件はBBCが報道する前は週刊文春が報道して、テレビは扱わなかった。似た構図かと思うが、今回は立花代表による暴露が奏功して選挙を覆すことができた。また、維新の会から兵庫県議の増山さん、岸口さん、白井さんの3人は、口外すべきでない情報を立花代表に渡したということで処分はされた。増山さんらがしたことは百条委員会のルールには反しているが、一方で兵庫県民が投票のために知るべき情報でもあり、正義の内部告発だった。マスメディアでは百条委員会のルール違反をしたことだけを強調して、正義の告発という部分が報道されていない。県民局長が出した怪文書は人事に不満を持っていたがゆえの斎藤知事に対するクーデター計画という目的があり、極めて個人的で内部告発を悪用していた。内部告発は正義の目的でなくてはならず、立花代表はその点が許せないという思いがあって強く関心を持ち、実際に兵庫県知事選挙に出た。
――7月の参院選での政策を改めて伺いたい…。
浜田 6つの「ぶっ壊す」をつくっている。基本的には私が主導して作成したが、そこにマスコミの偏向報道を重視する立花代表のカラーも加えている。①電波メディア利権をぶっ壊す。②天下り、公金チューチューをぶっ壊す。③余分な税金大きなお世話の社会保険をぶっ壊す。④巨大な中央省庁のムダをぶっ壊す。⑤反日勢力やられっぱなしの弱腰外交をぶっ壊す。⑥居眠り議員、サボり議員、暴力を振るう議員をぶっ壊す。また、NHK党での活動とは別に、新たな政治団体(自治労と自治労連から国民を守る党)もつくった。自治労に関する問題を是正していくことを目的とした政治団体で、地方公務員の権利を守るためこちらの活動にも励んでいきたい。
――立花代表を襲撃した犯人が、その動機として立花代表が県議を自殺に追い込んだからだと供述しているが、N党の見解は…。
浜田 兵庫県議であった竹内英明元県議が亡くなったことと立花孝志党首の発言との因果関係は不明だ。また、WHOの自殺報道ガイドラインには「自殺の原因を単純化したり、一つの要因に決めつけたりしない」とある。それにも関わらずTBSをはじめとした一部の報道機関が、あたかも立花党首の発言が竹内英明元県議を自死に追い詰めたという憶測を確定的なことの如く繰り返し報じていることは看過できない。TBSの番組「報道特集」をはじめとした事実に基づかない論拠に薄い報道が一方的になされた結果として立花党首が選挙運動中に暴漢に襲われ負傷するという忌まわしい重大事件を招くこととなった。殺人未遂で犯人は逮捕され、立花党首は大事に至らずに済んだとはいえ、万が一、立花党首が命を落とすことになっていたとすれば偏向報道を繰り返すTBSをはじめとしたマスコミはその責任は免れることはできないのではないか。憲法で保障される報道の自由には、平等で公平、且つ公正であることが求められていると承知する。報道機関によって公安が害されることがあってはならないと考える。しかし現状においては総務省や報道機関に期待することはできない。私は一国会議員としてTBSの非道を今後も国会で訴えつつ、多くの善良な国民の皆様に対してTBSスポンサー商品の不買運動などを地道に呼び掛けていきたいと思う。[B][HE]