金融ファクシミリ新聞社金融ファクシミリ新聞

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ESGよりHIG投資

ESGよりHIG投資
 ESG(環境、社会、ガバナンス)より、HIG(人間、投資、地政学的リスク)を、投資の判断基準とすべきだ。HはHuman(人間)で、人間の尊厳、人権や多様性の尊重、働く人への優遇策はもちろん、人間の価値観の変化に即応した商品やサービスを提供しているか否かを投資の基準とする。IはInvestment(投資)で、いたずらに配当を増やすのではなく、科学技術の進歩と環境や需給の変化を先取りした投資を行っているか。GはGeopolitical risks(地政学的リスク)で、足元で言えば米中の覇権争いなど、反グローバル化する国際情勢をきちんと経営陣が把握しているかである。これに対し、ESGのうちとりわけE(環境)はCO2削減が主なテーマであり、地球物理学者の説通り地球がミニ氷河期入りすると、これによる投資は不良債権化する恐れがある。
 当たり前だが民間企業の価値は、その会社が法律等を守りながら、いかに収益を上げかつ継続性を維持していくかである。法律等を遵守するという点で、S(社会)、G(ガバナンス)が重要であることはもちろんだが、税金で食べているお役所とは異なり、民間企業は収益を得なければ存続すること自体が不可能である。つまり、そこへの投資は、先行きの収益力の確実性や持続性を担保する、人間の価値観の変化や科学技術の進歩に対応した労働者や設備への投資をしているかが重要だ。また、法律等の遵守をチェックするのは投資家ではなく役所の仕事でもある。
 これに対し、日本企業はバブル崩壊後に行ったリストラにより重要技術を韓国や中国に流出させて自らの競争力や収益力を低下させ、足元では過度のROE重視で人材を含めた設備投資能力を低減させている。また、徐々に姿が見えてきている米国による中国経済の孤立化策やウイグルなど人権問題への対応について、日本企業の感度はまだ低く、その分だけ将来リスクを持っている。もうからない横並びのサラリーマン投資家を脱皮せよ。

(2020年1月22日)

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