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アベノミクスの破たん

アベノミクスの破たん
 中国の新型肺炎による訪日客の激減で、アベノミクスと言われる安倍政権の経済政策にまた1つの失敗が加わった。訪日客を増やすのは良かったが、中国人客を増やし過ぎたことが失敗の原因である。昨年の中国からの訪日客は959万人と全3188万人の約3分の1を占め、経済安保の観点から警戒すべき状態だった。また、そうしたお得意様の中国に配慮してか、米国のように中国からの入国を全面的に禁止していないことも、新型肺炎がさらに拡大するリスクをはらんでいる。その結果、中国人以外の外国人も日本への敬遠姿勢を強めており、今夏の東京オリンピック開催も徐々に懸念されている状況だ。このため、これ以上問題が大きくならないよう中国全土からの全面的な入国禁止や、習近平国家主席の訪日中止などの措置をとるべきであるが、中国からの賄賂容疑で逮捕された国会議員がいる自民党の安倍首相に、その決断ができるだろうか。
 訪日中国人に限らずアベノミクスは、日銀の異次元緩和の長期化や国家予算の肥大化という極端な政策を取っており、かねてから本欄ではその分だけリスクがあると警告してきた。どんなに良い経済政策でも続け過ぎると依存症などの副作用が出て、本来あるべき正常な経済活動が麻痺(まひ)したり外国に経済安保上の弱みを握られることになる。例えばマイナス金利は円安誘導に寄与するが、それにより安易な国債発行が行われ今や国内の民間需要の停滞要因となってしまった。そして天災を含め今回と同様な予期せぬ事態がしばしば起きて、そのたびに財政出動を行った累積で長期金利が急上昇すれば、国債の金利負担の急増から財政破たんのリスクが現実のものになる。
 米中冷戦の様相が強まりつつあるなか、米国にも中国にも弱みを握られない経済に変えることが、いまだに核を保有していないわが国の安全保障に不可欠である。その点で、日本の政治家が外国の経済学者の言うことを鵜呑みにしたり、いまだに野党が桜を見る会を国会で取り上げているようでは日本の先行きは暗い。

(2020年2月12日)

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