金融ファクシミリ新聞社金融ファクシミリ新聞

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株価形成で審議会を

株価形成で審議会を
 金融庁は、日本の株式の適正な価格形成について審議会を開くべきである。海外で何かあると時として1000円近く株価が変動するのは、戦争などが勃発(ぼっぱつ)すれば別として、どう考えても正常な市場ではない。まともに投資できる市場とは言えず、ヘッジファンドや高速取引業者の格好の投機市場と化している。こうした状況では、金融庁が長年来掲げ、依然として実現できていない間接金融から直接金融へのシフトは、「夢のまた夢」だ。複雑な証券化商品がリーマン・ショックを引き起こしたように、高速取引や複雑な取引手法が新たな金融不安を引き起こす前に手を打つべきである。
 「金融は猛獣である。しっかりカギを掛けた檻に入れておかなければ、何をしでかすか分からない」。この言葉は、金融不安のたびに言われ、市場で語り継がれてきた。経済は、原則自由な取引により発展するが、金融は別物で放っておくとバブルになったりバブル崩壊で金融不安になったり、詐欺まがいや不正な取引が横行する。このため、一般の企業以上に市場や業者の監視が不可欠であるが、金融緩和や金融技術の発展を名目におざなりとなり、足元でも仮想通貨や地銀で事件が発覚しているのは周知の通りだ。
 流動性(換金性)は株式の商品性の主要な部分を成すが、これだけ変動が激しいと売り買いともに個人投資家では難しい。これに対し、長期に投資すれば一時的な変動は問題にならないというのが金融庁の1つの意見であるが、バブル崩壊からアベノミクスの直前まで20年余りの長期間で、日本の株価は5分の1以下に下落し続けた事実もある。一方で、世界は自由貿易から保護主義に転じつつあり、中国共産党の「国営企業」による日本企業の乗っ取りにも目を光らせる必要性が増している。売買高による収益だけに目を奪われて、国民金融資産が大きなリスクにさらされていることを忘れてはならない。

(2018年11月7日)

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