金融ファクシミリ新聞社金融ファクシミリ新聞

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「TOPインタビュー・ハイライト」

2022年

11/21掲載 「東京にシリコンバレー創設を」
衆議院議員 自民党経済安全保障推進本部 本部長 甘利 明 氏

――日本も米国などのように新しい技術を生み出していくことが経済安保につながる…。

 甘利 大事なことは、イノベーションが起きる生態系、エコシステムを作ることだ。それには、まずは大学を改革することを考えている。これまでの日本の大学は、自分の研究をマネタイズしてスタートアップ企業につなげていくという発想がなかった。まずは大学を改革して、大学を運営する従来の研究者に加え、経営する人を新たに置き、研究を事業につなげられるようにする。日本の国立86校の年間予算は、合計で1兆1000億円だが、例えばハーバード大学は自身の基金で5兆円を運用しており、日本と他国の研究費の差は歴然だ。そこで私は、東京に世界最大のシリコンバレーを作ろうとしている。そこにグローバルに展開できる大学のキャンパスを誘致し、さらに世界のベンチャーキャピタルや人材が集い、次々にスタートアップがデビューしていく生態系を作ろうとしている。これを今年の骨太方針に盛り込み、3年以内の実現を目指す。先端研究の成果は研究費に左右され、国からの一層の資金支援が必要だが、大学自身も研究産業の一面を自覚し、自身でも稼げるようになるべきだ。

10/17掲載 「3つのメガFTAで経済推進」
九州大学大学院 経済学研究院 清水 一史 氏

――日本はRCEP、CPTPP、IPEFの3つのFTAに加盟している唯一の国だ…。

 清水 まさに、日本はこれら3つをすべて活用することが重要だ。RCEPは東アジアのメガFTAで一番インパクトがある。CPTPPもかなり水準の高いFTAなので積極的に活用する意義がある。IPEFもサプライチェーンの強化やデジタル経済に大きな影響を与え、アジアに米国を引き込むという思惑もある。日本はこれらFTAに積極的に関わり、かつ、日本が相互補完させていくことが大切だ。民間分野でも、日本企業はRCEPの枠組みに大きく関わりがある。RCEP地域に進出している日系企業の輸出の約8割がRCEP域内だ。日系企業にとっても大きな意義があり、同時にRCEPやCPTPPを補完しながら活用するのが重要だ。また、日本はASEANと連携し、かつ支援することが重要だと思う。RCEPはASEANが提案して交渉をリードしてきた。日本が積極的にASEANを支援し、RCEPでASEANが中心に位置し続けることで、中国の影響力が拡大するなかでも、RCEPの中でのバランスがうまく保たれると思う。

10/11掲載 「金融の役目は経済の転換促進」
金融庁 監督局長 伊藤 豊 氏

――コロナや地政学的リスクなどこれまでにない不安定な局面にある…。

 伊藤 コロナは資金繰り支援から始まり、債務過多の事業者への前向きな投資資金の調達やアフターコロナに合うビジネスモデルへの転換支援に変わり、また金利上昇や円安進展で事業環境が大きく変化しているなか、今後のビジネス展開や防衛策も検討していかなければならないが、ここに金融機関の役割がある。一方では、3年間据え置きのゼロゼロ融資の返済が23年の春から本格化するため、返済期限の延長や借り換えなどの対応も必要となる。アフターコロナに向けては、ゾンビ企業を淘汰するということではないが、生産性を上げれば賃金も上がる。コロナを大きなきっかけとして、日本経済の転換点とすることが金融機関の役目だ。

9/20掲載 「国債管理政策を総点検し継承」
財務省 理財局長 齋藤 通雄 氏

――最後に、局長としての抱負を…。

 齋藤 先ずは、今の時点での国債管理政策の総点検を実施しておきたいと考えている。というのは、私は長い間この国債関係に携わりながら、これまでのキャリアを築いてきた。しかし、私の後にこのポジションに就く人物が、私の様な経歴を持っているとは限らない。総点検してまとめ上げたものを、私の時代に実行に移せるかどうかはわからないが、これまで長く国債関係を歩んできたものとして、その経験をしっかりと後任に引き継いでいきたい。それが私の責務だと思っている。(了)

7/11掲載 「脱中国に向け補助金を」
アシスト 代表取締役 平井 宏治 氏

――進出リスクが大きくなっている中国から日本企業が撤退する方法は…。

 平井 法律上は、日本企業が中国から撤退することは可能だが、実際には、撤退すれば、中国に投資した設備類などをすべてタダ同然で置いてくることになる。日本企業にとっては、特別損失を計上することになり、このことが、脱中国が遅れる一因となっている。脱中国を推進するため、脱中国をする企業に中国撤退で生じる損失と同額の補助金を出すべきだ。例えば、1億円の特損が出る企業に、政府が1億円の補助金を出せばよい。2020年、安倍首相(当時)は、中国から撤退する企業に対する補助として、2200億円を準備し、申し込みは1兆7000億円にもなった。同時期に、米国政府が準備した脱中国補助金は5兆5000億円。わが国の経済規模からして、2兆円は準備する必要があった。経済安全保障の観点からは、日本企業の脱中国、国内回帰や、中国から東南アジアへのサプライチェーン変更に補助金を準備し、サプライチェーンの中国外しを進めることが必要だ。上場企業の場合、利害関係者も多く、簡単にサプライチェーンの変更も決められないが、オーナー経営の中堅・中小企業は迅速に撤退を決断できる。有価証券投資などを含めると、中国には既に50兆円規模の日本の資産があるとの見方もある。中国には国防動員法がある。台湾有事や同時に起きる沖縄侵略時、いわゆる有事に、中国政府が日本企業の在中資産を接収できるとする法律だ。中国政府にすれば、日本企業の50兆円の在中資産をタダで中国のものにできるおいしい話だ。ロシアのサハリン2の例を見れば、中国の国防動員法発動リスクを過小評価するべきではない。

4/25掲載 「台湾有事の際の難民課題に」
石垣市長 中山 義隆 氏

――ロシアによるウクライナ侵攻に呼応し、新たな中国の動きはあるのか…。

 中山 尖閣に関しては、新たな動きは見られていない。ただ、ロシアのウクライナ侵攻に連動して台湾方面では動きが出てきたようだ。ロシアの要求通りにウクライナ情勢が解決するのを国際社会が認めてしまうと、次は中国が台湾に侵攻していくだろう。そして、台湾侵攻の際には、台湾を挟み撃ちにするため、尖閣諸島が利用されると考えられる。台湾は国土を大きな山が縦断しているので、尖閣諸島から山の東側を、大陸本土から西側を攻撃すると見ている。さらに、侵攻が実際に行われれば、台湾にいる2300万人をこえる人口の多くが漁船などを利用してでも避難民として日本の沖縄県、石垣市へ流れてくることは間違いない。人口5万人の島でそれだけの避難民をどう受け入れられるのか。また、パスポートがない方が入国した場合、中国の工作員が紛れ込んでいても区別がつけられない。石垣市では4年前、台風による光ファイバーケーブル断線により、大規模な通信障害が起きた。石垣島の海底ケーブルは沖縄本島から宮古島などを経由して周りの島々をループ状につないでおり、1本が断線しても別の1本で、最低限の通信はできるようになっているはずだった。ただ、そのときは通信できるはずのケーブルが与那国島の土木工事の事故で切られており、2本のケーブルが切れ、固定電話を含め一切の通信が取れなくなった。これは後からわかったことで、当時は状況がわからなかったので、台風を利用した工作員によるテロの可能性も考えた。結果的には不慮の事故だったが、これが台湾進攻の際に避難民に紛れ込んだ工作員により意図的に行われたら、島外との通信は一切取れなくなり、国家安全保障上の大きな脅威になる。

4/44掲載「輸入物価高が賃金や利潤抑制」
みずほリサーチ&テクノロジーズ理事長 前アジア開発銀行総裁 中尾 武彦 氏

――日本で円安が進んでいることについては…。

 中尾 日本製品を輸出する際に高く売れた方がよいし、外国のものを買うときに購買力が強いほうがよい。極端な円高も困るが、通貨がある程度高い水準にあることは決して悪いことではない。米国もドル安政策を志向したことはない。為替が安ければ海外の企業に日本企業は簡単に買収されてしまう。現在のようにエネルギー価格や資材価格が上昇している時に円安になれば輸入物価はさらに高くなり、いずれCPIに跳ね返ってくる。日銀が目指しているデフレ脱却モデルは、自国の生産の価格が高くなっていく、つまりGDPデフレーターが上がってCPIも上がっていくことを期待している。今は輸入物価が上がる過程でそれが転嫁できずに実質賃金や利潤を抑えるという流れになっており、その結果GDPデフレーターはマイナスの方向に動く。CPIは上がるが、実質的な経済活動には下押しの圧力が加わるので、金融政策のかじ取りは難しい。

3/22掲載 「CO2温暖化説はねつ造」
東京工業大学 地球生命研究所 主任研究者 丸山 茂徳 氏

――IPCCの試算は全くのデタラメだという…。

 丸山 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は大気中の温室効果ガスの増加が温暖化と異常気象を引き起こす原因であると断定しているが、それは誤りだ。IPCCは全球気候モデル(GCM)を使って気候変動を定量的に予測したと言っているが、これはでっちあげである。気候変動に関与する変数は極めて多く、全ての変数を定量化してモデルに組み込むことは不可能だ。そのためIPCCは、過去1300年間の樹木(中緯度だけ)の年輪幅(気温との相関関係)のデータだけを扱った。それらのデータは年代依存の規則性がないことから、彼らは、地球の平均気温は過去1300年間一定だったと見なした。一方、年輪幅以外の各種同位体や花粉学を駆使して、IPCCよりも遥かに精度良く再現してみせた古気候学の常識は、彼らからは明らかに無視されている。IPCCは、自分たちが導き出した、過去の気温は一定であるという話に一致するように、各種の変数を調整した。例えば、過去1300年間のCO₂、CH₄、N₂、H₂Oなどの温暖化ガス、あるいは雲量など寒冷化の要素を気温が一定になるように操作した。その上で、過去約130年間の要素のうち変化しているのはCO₂濃度だけだから、気温が0.8℃上昇したのはCO₂濃度が原因であると説明した。見かけは、たくさんの要素を入れた複雑な気候モデルに見えるが、中身はでたらめだ。これがGCMの実体だ。

1/4掲載 「収入範囲内の予算で財政再建
大阪市長 日本維新の会代表 松井 一郎 氏

――財政再建を反映して大阪市債も府債も販売が順調だ。財政再建の秘訣は…。

 松井 当たり前のことだが、「収入の範囲内で予算を組む」ということだ。2008年に橋下徹氏が大阪府知事になった時、大阪府は11年連続赤字で、減債基金の借り入れという禁じ手とも言える財政手法まで行っていた。それまで「役所はつぶれないし、いつか誰かが何とかするだろう、今はどこも景気が悪いから自分の世代ではどうしようもない」というような意識が府庁内には蔓延しており、これを見直すために先ずは職員の意識改革を行った。そして、ドイツでは財政運営の法律があるが、それに倣って大阪では財政運営基本条例を作った。それが「収入の範囲内で予算を組む」という条例だ。

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